HI-CAPA4.3のシアとハンマー周辺を細かく見てみる!

きっかけは大した事ありませんでした。
HiCAPA用のカスタムパーツを探していた所、サードパーティ製のシアを見付けました。
アルミビレットの高級感漂うパーツをポチりかけた所で、ふと、「シアって壊れるの?」って思ったんです。そこから連鎖的に買った時からの疑問の答えが知りたくなりました。
「フルコック状態からハンマーに指をかけてトリガーを引ききってもハンマーがダウン(レスト)位置にならずハーフコックで止まってしまう。」
たぶんモデルガンを触らず直行でマルイHi-CAPAシリーズに触れた方は「別にフツーじゃん!」と思うかもしれませんが、モデルガン歴の方が長い私には理解できませんでした。
HiCAPAを買った時も、最初にお店の展示サンプルを触らせてもらいました。
お店でサンプルを見せてもらった時や他人に銃を見せてもらった時、返す時はハンマーをレストポジョンにするのが作法で、この時ドライファイア(空撃ち)はせず指をかけてそっと戻すのがモデルガンでの礼儀なので、そうしようとすると勝手にハーフコックで止まる。店員さんに断ってドライファイアをするとちゃんとレストポジョンになる……ナゼ?
自分の銃で試すとハンマーの落ちる速度に関連している事がわかりました。
パチンとスプリングに任せればちゃんとレストできる。
指をかけたりでスピードが鈍るとハーフコックで止まる。
スライドを載せない状態で試すとどちらの条件でもディスコネクターが勝手に動く!
こうなると分解して解析しないと気が済みませんが、有り難い事に、HiCAPAは機関部内を簡単に見られる構造なので、じっくり見てみました。
フルコックでトリガーは引いていない
※ディスコネクター上端は白線に接している
トリガーが引かれトリガーバーがディスコネクターを介してシアを左回転させ
ハンマーが開放された所
※ディスコネクター上端は白線に接している
ハンマーSPによってハンマーが左回転して撃発位置へ動く
この直後ディスコネクターが降下を始める
※ディスコネクター上端はまだ白線に接している
ハンマーがここまで来るとディスコネクターは十分降下していて
トリガーバーとシアの関係をほぼ完全に断っている。
次の瞬間シアはフリーになりシアスプリングによって右回転を始める
※ディスコネクター上端が白線から離れている事に注目
指をかける等でハンマーの速度が遅い場合シアスプリングによって
時計方向回転させられたツアはハーフコックノッチと噛み合いハンマー停止
※ディスコネクター上端が更に白線から離れている点に注目
ハンマーの速度が十分速ければハーフコックノッチを通り越して完全レストされる
同時にバルブが叩かれBB弾発射&ブローバックフェーズへ移行する
スライドが往復するとハンマーはフルコックノッチでシアに捉えられる
※ディスコネクター上端は完全隠れてしまっている点に注目
プローバックフェーズが終了しスライド閉鎖トリガー引いたまま状態
トリガーを戻せばディスコネクターは上昇してシアとトリガーバーの間に入り
最初の画像の状態に戻る
※ディスコネクター上端が再び顔を出している点に注目
いかがでしたか?
一連の画像を見ると、ディスコネクターは全く操作していないのに動いてますよね。
モデルガンの場合、ディスコネクターはスライドのブリーチブロックによって作動させられますから、今回の画像のようなフレーム側のみでは全く動かないものなんです。ところが動いてる…となると別の仕掛けが必要です。その仕掛けがこれ。

ハンマーとディスコネクターの位置関係を右側面から
ハンマーとディスコネクターの接している部分を良~く見ると……何か丸い突起が出てますね。この突起がディスコネクターを操作しているのです。つまりマルイのHiCAPAではディスコネクターを制御しているのはハンマーで、ハンマーがフルコックから概ね30度も回転すればディスコネクト自体は完了します。
……が、そのままではフルコック位置でハンマーを止められません。それを可能にするのがブリーチブロック(マルイパーツ名ピストン)です。ピストンはスライドがブローバックを始めるとすぐにディスコネクターを強制的に押し込みディスコネクト位置を保持し、ブローバック終了(スライド閉鎖)直前まで維持します。これによってブローバック中の殆どの時間をシアがフリーの状態に保ち、フルコックノッチと噛み合うのを可能にします。

なんでこんなタイミング勝負的なメカニズムにしたかと考えると、恐らく安全にハンマーダウンする為なのでしょう。
モデルガンと同じ動きと働きのディスコネクターではハンマーダウンの際にバルブを押して生ガスを吹かせたり、プローバック機構にガスが吹き込んでスライドが動いてしまい怪我をする可能性があります。ハンマーダウンの際に完全ダウンにさせず、強制的にハーフコックさせれば怪我の可能性をとても低くできますし、そういう意味での保険としてこんな凝ったトリガーメカニズムを採用したのだと思います。

で、今日のモディファイ
原理と理由の解析はできたと思うのでちょっと手を加えます。
具体的にはハーフコックノッチとフルコックノッチに若干手を加えます。
ハーフコックノッチを捉えるタイミングに余裕を持たせる為、ノッチの高さを小さくするだけでなく、ノッチ上面をなだらかに削りました。フルコックノッチの高さは変えずにシアと擦れる面を磨きました。
シアはフルコックノッチを解放した時の位置にしてあります
ハーフコックノッチの形状とシアとの距離を見てください
レースガンにするつもりは毛頭無いので、マルイ設計部が見込んだマージンを若干削る程度に止めました。元々十分以上に軽いトリガープルなので、当面この程度で十分でしょう。







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