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LLC濃度について

1098は入院中ですが、前回記事で書かなかった事をちょっとだけ補足。 LLCですが、今回は市販の即用式(赤色)です。赤い色を選んだのはリザーバー内の水位が見易いというだけで、他意はありません。主成分は水とジエチレングリコールで、市販の即用式は大体50%溶液になっています。 ジエチレングリコールにも冷却材としての能力はありますが、水には劣ります。まぁ、不凍液としての能力と引き換えにちょっと冷却能力が落ちる訳ですね。 そのまま(50%溶液)で使用すると-37℃まで凍結しないのですが、そこまでの能力って私の住んでいる南関東以南では必要ないですよね。そこで主たる冷却材の水を加えて、冷却能力を少々稼いでいます。 防錆能力の限界とされる20%溶液で-9℃まで凍結しないとされているので、50%溶液に同体積の水を加えて最終濃度を25%(-12.5℃まで不凍)とし、これを使っています。  使用地最低温度 混合率  LCL原液(㍑)  真水(㍑)            -9℃         20%      0.6             2.4       -12.5℃         25%     0.75           2.25          -16℃         30%       0.9            2.1          -25℃         40%       1.2            1.8          -37℃         50%       1.5            1.5 上に掲げた表はホンダのサービスマニュアルから抜粋したもので、-12.5℃の欄は私が計算・挿入したものです。 LCL濃度については、1987年のRC30/VFR750Rでは「使用地に合わせて作れ」、1997年のSC36/VT1000Fでは「標準濃度30%」とされています。双方とも国内仕様用のサービスマニュアルなので、10年の間に何があったのかちょっと気になります。 発熱の大きい1098エンジンなので、ちょっとでも何とかしたいと思ってやってみました。資金に余裕があるならワコーズのヒートブロックプラスを使うのですが、ラジエター本体の修理もあり、とりあえずこんな感じです。

ラジエターを修理しました

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ラジエターからのリークが再発してしまい、遂にプロを頼る事に。 以前お世話になっていたショップの整備士から紹介してもらったのが [隅東ラジエター(03-3697-0788)] で、ラジエターだけでなくエアコンの熱交換器なども手がける昔からの職人さんです。 修理は何でもそうですが、一品一品状況が違う為、現物を色々テストしてからの見積もりとなりますから、休みを利用して1098のラジエター単品を持ち込みました。 当日はたまたまご主人の健康診断とかちあってしまい作業の様子を見せていただく事は叶いませんでしたが、預けて5時間程で出来上がったという旨の連絡。早速引き取って取り付けです。 ですが、ただ取り付けるのも面白くありませんね。 漏れ止め剤を使用するとウォーターポンプのインペラーに付着したり、サーモスタットを固着させたりする事があるそうなので、思い切って冷却系関連の総点検をする事にしました。LLCも抜いてあるので好都合です。 手始めにウォーターポンプカバーを外しますが、ノックピンが錆びていた事と液体ガスケットの相乗作用で中々手強いです。最終的にはクランクケースカバーとの間にカッターの刃を捻じ込んで隙間を作り、スクレイパーでこじって外しました。 インペラーはキレイな物で付着・固着もありませんでした。カバーも問題なし。唯一ドレンボルト穴周辺に錆びの固着がありましたが、取り除くとともに原因というべきドレンボルトに防錆処理をしました。 インペラーはセラミック系の素材らしく、工具で軽く叩くとカンカンと陶器の様な音がします。中心にはプラモデルでランナーをもぎ取った時の様な跡があるので、成型後に不用な部分を折り取ったのかも知れませんね。 冷却ホースの中間にあるサーモスタットも取り外してしまいますが、こっちはホースバンドを緩めるだけ、心配していた固着もなくあっさり取れました。 左から順にラジエター側、側面、エンジン側です。 見た通りバルブの固着やカスも無く安心しました。 サーモスタットその物を分解して取り除いてしまおうかとも考えましたが、それで得られるメリットは殆ど無い事から今回は手を触れない事に。 いずれ普段使いを引退して峠専用マシンになったらシリコンホースキットを入れて、サーモスタットをキャンセルしましょう。 さて、水周りの点検が終わったら元

チョイノリの身体検査

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原チャリユーザーの大多数の平均移動距離が2km程という調査結果から、必要最低限度の機能を積み上げて完成されたチョイノリは、同時に徹底的なコストダウンをしました。 お陰で新車本体価格は電動アシスト自転車より更に安い¥59,800!(消費税施行前でした) 国産をアピールする日本地図の静岡県が赤く塗られた「ここで作っています!」なんてノボリもありましたね。国内生産(後年台湾スズキで生産されるようになりました)でこの価格、大したもんです。 チョイノリの言えばこの顔ですよね。 レッグシールドを兼ねたデザインは中々秀逸だと思いますが、どう思います? 廉価モデルながらフロントフェンダーは別体なんです。一般的なスクーターってボディと一体ですもん。ちなみにヘッドライトはロービームのみです。ハイビームなんて、いらないいらない。 一応テレスコピックタイプのフォークですが、逆U字型に曲げたパイプにスプリングを入れてインナーチューブを入れ、抜け止めをした程度。 まぁ、乗ってて不満は無いです。 フロントブレーキは廉価なドラムブレーキ。でもよく効きます。 これ以上効くとちょっと怖いかも。 まだまだシューの残量たっぷり。 とんでもなくガッチリ効くブレーキで簡単にロックしちゃいます。 コーナーでロックさせて遊んでますが、滑らせ続ける程のパワーは無し。 後はモタモタと加速してます。 ショック無しのリジットサスです。 車重が中学生一人分位なので、ギャップに突っ込んでも大した事無く通過します。 これ以上シンプルにできないメーターです。左上はウィンカーインジケーター。 speedの字の下には速度警告燈。 トリップどころかオドメーターも無いので走行距離は不明。 ガソリンは勘で補給。でも超低燃費なので1リットル入らなかったり。 目盛りが50km/hまでしか無いのもなんとなくラブリー。 キックペダルは改良型に交換済み。 最初期型はプレス製だったのですが、不具合あったらしくリコールで鋳鉄製に交換されました。 チョイノリはチェーン駆動です。 キックペダル側にCVTの変速機構が入っていて、後輪に伝える部分だけチェーンです。 シールレスチェーンなので低抵抗ですが、オイルが飛びやすいのでこまめに注油してやると良いでしょう

チョイノリが来た!

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我が家にチョイリが来たのは全くの偶然でした。 2003年2月の発売から3ヶ月位経った頃だったと思いますが、買取希望のお客さんがお店に来られたのが始まりでした。 当時バイク販売店に勤めており、販売はもちろん買取の査定もやってました。 お客さんに請われて車体を見に行くと、チョイノリの最初期型でした。 コストダウンを徹底したシンプルな車体で、燃料計もトリップメーターも付いてません。 車両はピカピカで殆ど使用痕もない極上品! オドもトリップも無いので走行距離はわかりませんが、目視では50km未満! …なんですが、何せ本体価格は税抜き¥59,800。 ニューモデルとして発売されて間がなく、新車は販売店に溢れている状況。 ほぼ新車と言えど再販価格は厳しい設定がされてしまいます。 当然買取価格は自ずと更に厳しい事に…。 ダメ元で上司にお伺いを立てるが当然不可の返答。 いや、わかってます。私だって同じ意見ですもん。 でもオーナーさんの意気消沈振りが余りに酷く、見るに耐えないんですよ。 で、私が個人的に買取を提案をしました。 涙目オーナーは二つ返事でOK。 かくしてチョイノリは家に来る事になりました。 以来、今年で8年目のチョイノリは故障らしい故障も無く、今日も元気です。

シングルディスクを320mm径化しました

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色々あって冬本番をとっくに過ぎて夏本番です。 ついに320mmディスクを装着しました。取り付け作業は前々回の追記で書いている通りで代わり映えしない為、再録しません。 右はフロントホイール+320mmディスクです。 1098純正は肉抜きが非常に大きく華奢に見える程のインナーディスクですが、320mmディスクはオーソドックスな肉抜きでちょっと重く見えてしまいますね。手元に秤が無いので計測していませんが、見た目通りちょっと重い気がします。ディスクボルトはスチールの純正をそのまま流用しています。 下は交換後のクローズアップです。 キャリパーブラケットに直接キャリパーが接しているのが新鮮ですね。 間に挟まっていたスペーサーはキャリパー上に移動しました。本当は使わない予定でしたが、キャリパーボルト長とキャリパーブラケットのネジ穴深さの関係でこうなりました。ボルトヘッドの造形が今ひとつもっさりしているので、切削整形された物に置換したいですね。 摩耗限界の純正ディスクから新品ディスクに交換した為、ディスク厚みが1mm近く増加しました。お陰でキャリパー取り付けラインの歪みが顕著にわかる様になりました。ディスク厚みの中心線とキャリパー中心線が平行になっていないと片当りして、効きは悪くなる上にパーツ磨耗が激しくなるので、調整し易くなったのは助かります。 初期慣らしの100kmは順調に消化したので、本格テストに入って細かい修正点や調整点を詰めて行きたいと思います。

ストロークセンサーの改良

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出勤に備えてストロークセンサーの掃除をしましたが、これが結構面倒くさい。私の使っているのはオザワR&Dが日本中に流行らせたのと同型の物。プラスチックのリングと極細スプリングを組み合わせたもので、簡単な構造ながら正確でとても重宝してます。 でも、清掃しようとするとスプリングを外すのが難しい。 スプリングの先端は左のようになっていて、この部分が雄ネジの役目をします。もう一方の後端部分は雌ネジになります。 取付の際はスプリングをくるっと輪にして先端を後端に捻じ込みます。細い割には結構な張力があるので3~5山を捻じ込んで置くと安心できます。 右画像の上段が接続した様子。 ネジ部分を見せる為に1山位しか噛んでいませんが、しっかり奥までネジ込んだ所は想像できるでしょう。 ところがいざ外そうとした時には中々外れません。狭い所での作業に加え、汚れで指が滑るし、噛み込んだ細かい砂や泥でネジ部分が固着しがち。作業の度にイラッとして、時折千切ってやろうかと思います。 左奥が市販品 右手前が初期試作品 そこでイラッとしないで済む方法を考えて見ました。それが右画像下段のリングです。 ちょっと大きなサークリップを加工した物で、構想5分ですが、加工は大変でした。 ストロークセンサーですから軽く動きつつもしっかりその場に留まってくれなければなりません。締め付けがきつ過ぎれば噛み込んだ砂等でインナーパイプを傷つけてしまうかも知れません。 軽く動くけれどしっかりその場で留まる…この条件を満たすのは想像するよりずっと大変でした。 更に万一サークリップがズレたりした時にインナーパイプを傷付けない対策もしなければなりませんし、第一目的である外し易さも絶対条件です。 試行錯誤を重ねる事30分。ようやく納得の行く出来になりました。 右画像は試作一号と今まで使っていた市販品を並べて撮影したもので、当然左が試作品、右が市販品です。 実に細かい話ですが、全体重量は約7gになりました。 市販品の製品重量が約10gなので、30%減少!と言うと大幅減少に聞こえて格好良いんですが、3gですから…。 実際に取り付けたテストも差し当たっては上々の結果。 26日のとろとろ会へ持ち込んで実戦テストです!