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GPZ900Rの燃料コックの非負圧化

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 後輩のGPZ900Rの燃料コックからガソリンが漏れる様になったとの事。 ①純正コックの新品を買う ➁内部パーツのみ買って組み替える ③ピンゲルの新品コックを買う という三択をどう思うかと相談を受けました。  漏洩場所が特定できているのであれば➁なのですが、特定はできていないという点とストレーナー等経年劣化パーツをすべて更新できる上に価格差も大きくはないと理由から①を推しました。③ですか? 価格差とノーマルエンジンでのジムカーナ使用という点から、メリットが薄いので除外ですね。  ついでに負圧コック機構をキャンセルしたいという要望もあって、ちょっと簡単ではないです。 ・・・となると当然(?)頼るべきはGoogle先生で、調べてみるとカタナに移植するとか、〇〇に流用するという記事が沢山出てきます。更に調べると負圧コックのキャンセルする記事もありますが、詳しい所は書いてないし画像も完成状態が1枚だけ。  更に調べを進めて純正内部パーツの画像を見付けました。ここまで来れば後輩も私も理系なので、事実とあるべき結果から解析・構築をするだけです。 結果を模式図にまとめてみました。 先ずはノーマル負圧コックです。 右下の〇に出っ張りが付き、ABCDの文字が振ってあるのは[切り替えレバー本体]です。ABとCDの長円はそこに彫られているガソリン通路を表します。 GPZ900Rは負圧コックなので、エンジンが運転状態でインテークマニホールドに負圧がかかっていなければガソリンは出ません。従って他社コックに見られる[OFF]というガソリン止めるポジションはありませんが、代わりにエンジンの運転・停止に関係なくガソリンを吐出する[PRI]があります。 一方こちらは負圧コックキャンセル版です。 こちらの特徴は純正状態では存在しない[レバー上]がある事です。 レバー部品の動きを規制しているパーツに作られた凸を削る事で容易に[レバー上]が実現できる筈ですが、現物無しで行った図上での思考実験ではレバーがタンクに干渉するかどうかを含めて検証できませんでした。 この図にはない[レバー左]も1→D→C→2となり、機能としては[Off]です。  恐らくレバーを短くするなどで容易に対策できるので、そこは各人で工夫してください。後輩はレバーと切り替え部分の位相を90°ずらしたパーツを削り出しで作るって言ってましたが・

電動インパクトレンチのクリーンアップ

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1号機と2号機に加えて暫定3号機です。 3号機は私が買ったものではなく、後輩がお世話になっている方のインパクトが、作業現場で使い込まれて微妙に不具合が出始めているのを見て、「リフレッシュをしてあげたい」という事から実作業を私が無償で引き受けた物です。 作業を始めるにあたって徹底的にクリーニングします。 汚れの殆どは微細な砂や泥ですが、砂も泥も粒径がとても小さい鉱物なので機械構造物に対する攻撃性は結構なものがあるので、清掃を疎かにすると後々問題を引き起こします。それに後輩の名前で引き受けてる作業なので彼の信用問題になるので慎重の上に慎重を重ねます。 ビットを装着する部分は分解してみると侵入した水分で錆が出ていたのでワイヤブラシで錆を落とします。 コンパウンドを使うと表面の焼き入れ層にダメージが及ぶ事を憂慮して真鍮ブラシで時間をかけて磨きます。 今回は実際に衝撃を発生させる機構を内蔵したハンマーケースも状態の良い中古品と交換するので、専用工具が必要な部分以外は全て分解してクリーンアップとグリスアップを行いました。 純正グリスは手に入らないので、DUCATIのAPTCクラッチ等での使用を指定されているモリブデングリスを使用しました。 クリーンアップが終わった暫定3号機 おおよそ外から見えるパーツはほぼ全て新品にしたので、見た目だけは新品同様です。内部もハンマーケースとトリガーを交換し、カラッカラになっていた各部グリスアップや磨き直しを施したので、スピンドルのブレも無くなり、動きのキレも良くなったので、操作感もずっと向上しました。 オーナーの感想も上々だったようで、とても楽しい作業でした。 1号機から3号機まで並べてみました 14.4Vモデルは3台いじったので、より新しい18Vモデルや最新の40Vモデルを、是非分解整備してみたいですね~。