マスターシリンダーの気になる点

ブレンボレーシングラジアルを導入して、一段落ついたと思っていたのですが、気になる点を見つけてしまいました。
現物を触った事があると話が早いのですが、レバーには無効ストローク以前にガタがあります。これは幾つかの要因が複合したものです。
まず一つ目の要因はピストンロッド自体のガタ。
レバーに加えられた力をピストンに伝達するピストンロッドは、ボールジョイントでピストン本体と組み合わされていますが、しっかりと結合されている訳ではなくて1mm弱の隙間があります。レバーの可動範囲はピストンロッドだけで規制されているので、ロッドのガタはそのままレバーのガタになります。さらに実際にレバーの指をかける部分では「梃子の原理」によってもっと大きく拡大され、文字通り「ガタガタ」です。
二つ目はレバーに収められ、レバーとピストンロッド
を結合している円柱状のパーツです。このパーツは意外と凝った構造でボールクリックが内蔵され、カチカチと小気味良くレバー位置をセットできます。この円柱状パーツが納められているレバーの貫通孔は、なぜかブレンボ純正・社外品を問わず大き目で、ここでも盛大にガタが発生しています。

さて、私を含めてレーシングラジアルを公道用に使っている方の多くは、機械式ブレーキスイッチを使用しているかと思います。機械式のメリットは実際にブレーキをかけなくてもブレーキランプを点燈させる事ができる為、ブレーキ燈の予告点燈といった公道での安全確保がし易い事。圧力式と違ってスイッチが破損してもブレーキ自体の機能は失われない事。スイッチのOn/Offによる圧力変化がレバーへのバックラッシュとして出ない事…が挙げられます。
反面、レバー位置に依存してOn/Offのタイミングが変わってしまいますから、精度良くタイミングを設定するにはレバーのガタは大敵で、それを取り除く必要があります。



まぁ、そうは言ってもかけられる予算はわずかですから、レバーを常にガタを無くす方向&ブレーキの効力が発生しない程度の力で押し付けておくのが一番簡単です。

ごく弱いスプリングをレバーに取付
イモネジのネジ山を使ってスプリングを固定しています
具体的に取った方法は掲載した二枚の画像で分かると思いますが、弱くて短いスプリングをレバー先端に固定して、マスターシリンダー本体との間に反発力を発生させます。つまり極弱い力でレバーを引いている状態を作り出すわけです。マスターシリンダー内に組み込まれたピストンを押し戻すスプリングに比べたら本当に僅かな力しかないので、ブレーキを引きずったりする心配はありません。


実際に組み付けたところです

たったこれだけでレバーのガタは駆逐され、ブレーキのかけはじめにあった気色の悪い空白区間はなくなり、気分良くブレーキングできるようになりました。

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