深夜の病院は意外と騒々しい

夜の病院はひっそりと静かで、ホラー映画の舞台みたい…と思われるでしょうが、実際は意外と騒々しいです。
入院末期の一般病棟は割と静かだったので、「SCU病棟は」という断り書きが必要かも知れません。
また私が入院した時は、たまたま卒中患者が集中し、ベッドは殆ど空きが無かったとも聞いています。

では、夜の病棟を騒がしくする音源は?というと…

1.まずは自動血圧計。
 5分毎に血圧を測りますが、一人でも1時間に12回×24時間=288回なので看護師
 さんの手動計測は物理的に無理です。病棟の自動血圧計は5分毎の自動計測の上、
 自動でログも作成するので看護師さんの手間は激減します。ただしゴムの手動式
 加圧ポンプではなく電動の加圧ポンプなのでモーター音がします。昼間は周囲の
 騒音に紛れてほぼ気になりませんが、騒音の無い夜間でははっきり聞こえます。
 加えて私は6人の大部屋に居たので、自分以外の5人分の自動血圧計の作動音も
 加わります。個々の作動音は大した事はありませんが、誰かの計測が終わると
 別の誰かの計測が始まるという感じです。

2.次に心拍計やサーモセンサー等のアラーム音。
 心拍数や体温も24時間体制でモニターしてます。血圧に比べたらリアルタイム性
 は低いのでセンサーが外れてしまった場合にアラームが鳴るようです。緊迫感を煽
 らない為なのか、柔らかい音色の電子音ばっかりなので、そこだけを聞くと騒がし
 くないゲームセンターようです。

3.電動ベッドの操作音。
 病棟のベッドは電動モーターが組み込まれていて背もたれの角度、足や膝の高さ等、
 調整できるようになっています。自分の手足を動かすのも大変な患者さんも多く、
 チューブが絡まって点滴針が抜けてしまったり何かの挿管が折れて輸液が滞ったり
 すると大変なので、看護師さんがリラックスして寝られるようにこまめに調整して
 ました。私は「この程度の事で看護師さんの手を煩わすのは申し訳ない」と昼間の
 うちは自分で調整してましたが、眠って意識がなくなると俯せになるらしく、看護
 師さんに何度も「挿管が抜けるからダメ!」と引き起しとベッドの角度調整をされ
 ました。

4.ナースコール音。
 入院した総合病院では、SCUも一般病棟もナースコールはバッハのメヌエット。
 消灯後は結構頻繁に鳴っていた感があります。病室のお隣さんやお向かいさんは
 症状がわたしよりずっと重篤だったので、ナースコールの回数が多くなりますが、
 深夜でもすぐ来てさっと対応している様子に感動しました。
 
5.患者さんのえづく声や何かを叫ぶ声。
 病室のドアは24時間開けっ放し、ベッドとベッドの仕切りはカーテン一枚なので、
 ちょっと大きな声を出せばフロア全体に聞こえてしまいます。卒中に伴う嚥下障害
 やそれに関連して肺炎にでもなったのか、患者さん達がえづく声は別室であっても
 かなり大きくはっきり聞こえます。「うおぉぉー」と何か叫ぶ声も同様です。
 その様子を例えるなら、それは動物園の如し。
 消灯後、特に深夜帯や午前5時頃の早朝帯は間を置かず聞こえます。
 
じゃぁ騒がしくて寝られなかったのか?というとそんな事は全くありませんでした。
手には点滴、体から何本ものパイプを生やし、食事・水分摂取・トイレも制限されて
ベッド上で一日の全てを過ごさなくてはならない状況。何が起こったか、今はどんな
状況なのかについて、誰も何も教えてくれない不安とストレスで精神的疲労はあり、
21時の消灯後は結構早目に(夜中までには)眠っていた様です。
それでも寝付けないことが何度かあり、午前五時位までずーっと起きていた時に、
「騒がしい夜の病棟」を体験しました。

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