1098へのHID搭載

私の使用しているHIDは汎用タイプです。
1098専用設定ではないので、バラストの設置場所や配線の取り回しなどを自分で考えなくてはなりません。DIYで手間が必要な分安価ですから、腕に自信があるなら挑戦してみてはいかがでしょう。
このページでは私が購入した88ハウス製55W4500kのHIDのキットの取り付け作業を紹介します。
まずは購入した部品の確認からです。

  1. 電圧降下防止リレー………確実な着火電圧を得る為の4端子リレーです。
  2. バーナー………HIDの発光体です。
  3. バラスト………着火に必要な昇圧と発光の維持を司るHIDの頭脳です。
  4. 配線小物………タイラップやケーブル保護材等です。
  5. アース線………バッテリーのマイナス端子へ接続するケーブルです。

実際にはこれだけでは1098には搭載できないので、バラスト―バーナー間の延長ケーブルと予備の高圧配線用コネクターを二組買い足していますが、取り付けの本質に関係ないので、写していません。

  • 電圧降下防止リレー…HIDは着火に13.8V以上の電圧を要求しますが、メインハーネス経由では電圧が不安定で、着火電圧に満たない事がよくあります。そこでヘッドライトコネクターにかかる電圧は単なるトリガーにして、着火電力はバッテリーから直接引き込む回路を作るのが電圧降下防止リレーの役割です。

バーナー(上)/ヘッドライトバルブ(下)の比較です。
フィラメントを加熱・発光させるヘッドライトバルブ(本質的に豆電球と同じ)に対して、希ガスを満たしたガラス管の中で連続的に放電して光を得るHIDでは構造が全く違いますね。
バーナーのガラス管上に見える水色のバーは先端電極へ点力を供給するケーブル(?)で、高圧電流対策のためセラミックで被覆されています。
ガラス管の中に球状部分があるのが見えると思いますが、内部にキセノンガスと放電電極が封入されていて、放電とキセノンガスの相互作用で劇的に明るく光ります。
バーナーは使用開始前に点燈試験を兼ねたブレークインをするのですが、リフレクターが曇ってしまう事があるのでヘッドライトに組み込まずに発光させます。
夜間に室内でブレークインをしたらまるで真っ昼間のような明るさ。取説に「絶対光源を見るな」と書かれていますが、納得です。

では、早速取り付けましょう!
バーナーとヘッドライトバルブは全く加工なしで交換できます。問題は配線の方です。
画像でもわかる通りバーナーのケーブルは真っ直ぐ後ろに伸びています。
ケーブルの基部はガラス管に封入された電極に固定され、大きく曲げられないようになっていますから、大きな弧を描くようにして引き出せるように車体側を加工します。
バルブ後方のカバーは防水パッキンが取り付けられ浸水について気を使っている様子があるので穴を開けるのは気が咎めましたが、他に方法がないのでコネクターが通せるぎりぎりサイズで開口しました。

よく考えたらケーブルギリギリサイズで開口し、ケーブルを通した後でコネクターを取り付け直せば…後の祭りですね。

さて、バーナーの取り付けができたらバラストの配置・固定に移ります。
今回は35Wに比べバラストが一回り大きな55Wタイプを使用している為、一般的な設置場所であるサイドカウル内に収まりません。他に収納場所を探しますが、もともと余裕のないスーパーバイクですから見つかる訳がありません。
結局カウル内部に収めるのは断念し、シート下に設置する事にしました。シート下はシートレールがあるだけで何かを置けるような構造にはなっていませんし、リアタイヤが巻き上げる雨や泥水も防がなければなりません。様々な制約からこれ以上車体後方に搭載する事もできないので、防水用に底板を作ってバラストを設置する事にしました。
749Rに付いてきたEU圏用純正ナンバープレートホルダーを赤線の位置で切断して中央部だけ使います。

幾つかの補助穴を開け取り付けしたのが右の画像で、バラストは設置前の状態です。わかり辛いですが、画面左が車体先頭方向です。

ここまで来たら大仕事はおしまい。
後は配線等の細々とした作業を延々と続けます。


バラストを搭載し終わったのが左の画像。
HIDの配線は全くしておらず、見えているケーブル類はETCと1098のハーネスです。
右下に見えている赤い配線がつながっている黒くて四角い物がHID電源線のヒューズボックス。当然水濡れ厳禁なので雨天走行時の排水方向等を考えながらバラスト共々固定します。
私は念の為にチャック付きビニール袋を被せ、水の浸入に備えています。

完了したらいよいよバラスト→バーナー間の高圧ケーブルの配線に取り掛かります。
高圧2万ボルトが通るケーブルですから慎重に配線するのは当たり前ですが、メーカーの取説に「高圧ケーブルを束ねて配線してはいけない」と書き添えられています。束ねて配線すると雑音電波がバラストに悪影響を及ぼし故障の原因となるそうです。以前使った35Wタイプには無かった記述なので、55W用に特に書き加えられた物だと思われます。
となれば、指示通りするのがセオリー。
バーナーから出ている二本の高圧ケーブルを別々の経路でバラストまで這わせます。当然ながら後々整備などでカウルは度々分解する必要があるので、いちいち配線等を触らなくて良い所へ固定していきます。

いよいよ完成。
どうです?明るいでしょう!
実際には手動スイッチの取り付けがありますが、別に解説する程の内容ではないので掲載してません。小学校の授業でする理科の実験レベルなのですから、必要ないですよね?
今後の課題として点燈インジケーターを作りたいと思っています。
HIDは着火に失敗する事がある事と消し忘れによるバッテリー上がりの防止策です。
ONでLEDが点燈するスイッチもありますが、用品店では5A対応までしかありませんでした。バラスト付属のヒューズが20Aなので同等の電流に耐える必要がありますが、コックピット周辺で使える小振りな物は無いので、スイッチメーカーの製品カタログを見ながら探してます。
まぁ、そのうち更新するかも知れません。

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