シングルディスク化 その後の計画

シングルディスク化が成功してほっとしましたが、実はこれ計画の第一段階なんです。
私の心積もりとしてはこんな感じです。

  1. 330mmディスクのままシングル化しての実証実験 ⇐今ここで、検証中
  2. 第二段階…320mmディスク化し、小径化でどんな変化が現れるかを確認
  3. キャリパーブラケットを加工して更に小径化 理想は296mm化

ブレーキは運動エネルギーを熱エネルギーに変換して車速を落とす機構で、実車ではパッドとディスクの摩擦熱を大気に放熱する事でブレーキとして機能しています。
ディスクを小径化すると表面積、体積(熱容量)をはじめ様々なものが変化します。当然ながらブレーキはとても重要な機構ですから、ちゃんと机上検討してみないといけません。RC46(初代)の時は無茶をしたもんだと今更ながら思います。

さて、ディスク直径の違いによる様々な変化を表にしてみました。
ディスク厚は広報データから1098は5.0mm、その他は一般的に入手可能な5.5mmとして計算。単純化する為に材質やディスクピン数等その他の条件は統一としました。

ディスク直径(mm) 板厚(mm)  面積比(%)  体積比(%)  外周速度比(%)
   330      5.0   100.00  100.00  100.00
   320      5.5   96.83   106.51  96.97
   305      5.5   92.06   101.27  92.42
   296      5.5   89.21   98.13   89.70
 計算してみると意外と差が出ないものですね。

一番小さな296mmディスクに注目してください。
体積で約1.8%減、面積と外周速度は約10%減となっています。これを非常に乱暴に解説すると…
熱容量と重量は純正330mmディスクと変わらず。
ディスク体積に対して表(放熱)面積が1割小さいので、ディスク温度の上昇率は1割程度大きいが、回転速度が1割遅くなっているので、パッドとの摩擦発熱量も減り総計としては微増。
ディスク回転速度の1割減少によりジャイロ効果も1割減。
…という訳でレースなどでの過酷な使用状況でなければ、157psの1098と言えどもこんな小径ディスク1枚で十分という事です。上の表では触れていませんがディスク厚が増すと当然機械的強度(耐曲げ)が増加するので、ちょっと余計にディスクが熱くなった位では歪み問題も起こらないとも言えます。
ちょっと気になったのは第二段階に相当する320mmディスクのデータです。重量で7%弱増加して、回転速度は3%強減少してます。これを相殺すると4%位ジャイロ効果が増えるはずですが、これがどれ程影響するのかわかりません。ここは出たとこ勝負ですね。

なんとなくイメージしていた事に裏付けが取れ、問題点の整理もできたので、ちょっと安心しました。あとはロードテストを重ねて実証データを蓄積するだけです。
冬本番目前ですが、がんばりますよ!

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