電動インパクトレンチを手に入れました。
学生時代の後輩とは今でもバイクを通じて交流があり、筑波サーキットでの練習会の帰りにウチに泊まっていったりするのですが、彼の仲介で電動インパクトレンチを譲り受けました。
実際に手に取ってみると動作はするものの、トリガーを引いてもモーターが動かなかったり動いても直後に停止してしまったりと動作が不安定なので、ジャンクとして譲り受けました。
修理の前に構造を理解したいので、早速分解します。とりあえず見えているプラスネジをすべて外してクイッとこじると簡単にボディ右半分が外れて中身が露出します。
不調の原因を調べる為にアーマチュア(すごくザックリ言うとモーターの出力軸と巻き線コイルが一体となった部品)を細かく見ると冷却フィンが何枚か折れています。
大分使い込まれている個体なのでトリガーが原因と見て間違いないでしょう。ユーザーの過半数は右利きだと思われ、手の構造上から右人差し指でトリガーを左に押しながら引き込むので、当然その癖通りにパーツも摩耗します。左手で操作をすると右手で操作するより細かく調整が効きますから、まず間違い無さそう。でも作業中にそんな事を気にしながら操作はしていられないので、厚さ1mm程のスペーサーを作って左ボディーに接着し、トリガーを常に右に押し付けながら引かれる状況を作り出しました。
有り合わせの端材でスペーサーを作り、トリガーが
常に右に押されるようにボディ左側に接着しました。
色々工作した結果、まずまずまともに使えるようになったので仕事に投入すると一週間ちょっとで症状が出始めてしまいました。
過去の経験からすると、一度改善した物に再度症状が出るのは「本格的に、もうダメ~。」のサインなので、意地を張らずにトリガーAssyを交換する事に。¥4,000強のちょっと値の張る部品ですが、仕事の効率やストレスを考えたら投資価値が高いので、モノタロウで即日注文しました。
中2日位で部品が届きました。早速組み替えてテストをすると、当然ながら物凄く使い心地が良いです。トリガーを一気に引き切っても、じわーっと引いても、途中で引く速度を変えても意の通りに反応します。
根本原因を知りたくて旧トリガースイッチを分解してみました。当初の予想では「割と単純な構造で、価格設定は少々割高に感じる」となるのでは? と思っていましたが、実際に分解(分解不可なので破壊に近い)してみたら、IC基盤と物理スイッチを組み合わて、メチャクチャ精巧に造られていました。
トリガーを引き始めると、ボタンに組み込まれた接点金具とプリント基板上の端子の組み合わせで、トリガーの位置が検出されます。検出はアナログではなく、数ステップのデジタル検出です。
トリガーの位置が分かったらICは検出位置に応じた電流をアーマチュア(モーター)に流して回転数を制御します。そして全ストロークの半分位に達するとICをショートカットするリレーを閉じて全速回転させます。
バッテリーを無駄に消耗させない為に知恵を絞ったんだな~、と感じる部分ですね。
ちょうど同じころに別途発注していた大容量の互換バッテリーが届きました。会社でもそっくりの電動インパクトドライバーと対応バッテリーを使っているので私物識別用に水性の蛍光オレンジのパーソナルカラーを塗りました。
これで不安要因は無くなったので、開梱作業でも大活躍してくれるでしょう。
コメント
コメントを投稿