折れたブレーキレバーを修復しました。


妻が本当にバイク初心者だった頃に転倒して折ってしまったアントライオンの可倒式ブレーキレバー。いつか直そうと工具箱の中にずーっと放り込まれたままになっていました。先日、手空きの時間ができた時に工具箱の蓋を開けたらこのレバーが目に留まり、結構高価なレバーを遊ばせておくのも勿体無いので"実用に足る様に"しっかり修復してみました。

アントライオンのレバーは先端ちょっと手前が細く作られていて、転倒の際にそこでレバーが折れて小指や薬指の骨折を防止する仕様になってます(妻もその断面積最小部でポッキリ折りました)。
今回の修復の際は"折れ飛んで骨折を防ぐ部分"そのものの修復は不可能なので機能の代替という事で、まずは折れ曲がり部分固定ボルトの締め付けを少々緩め、レバー先端部分は "ブレーキレバーを引く時の力方向には強く、転倒等で地面と接触した時の力方向には弱く" を目指し新品と同様に怪我をさせない方向を目指しました。

先ず双方の破断面に下穴を空けてM5の雌ネジを切ります。次はM5全ネジボルトを使い双方をネジで結合しますが、密着させず20mm程度離します。
ブレーキレバーの接続部分拡大画像
何故わざわざ隙間を作るかと言うとブレーキレバーをマスターシリンダーのピストンを押し込む第2種梃子と考えた時(考えなくてもそのものズバリですが)の力点を支点から遠ざけてピストンを押し込む力をより大きくする為です。私は右手の[中指&薬指&小指]でブレーキレバーを操作するので、一般的な[人差し指&中指]操作の方より少ない力で同等のブレーキをかけている訳ですが、
「より楽に強力なブレーキをかけたい」
と思っていたのでテストモデルを作ってみたわけです。

最後にレバー背面にt=3のアルミ板で補強材を作りネジで固定します。
全ネジボルトと補強材の組み合わせは非常に良好で、お互いが突っ張り合って十分な強度が確保できました。
※テストで急ブレーキを想定してレバーを絞り上げてもガチッと硬質な手応えで、新品の感触と全く変わりませんでした。
完成したブレーキレバーです。
元々は899Panigaleに使おうと思って修復を始めたのですが、ブレーキマスターシリンダー周辺はメーカーの設計・製造段階でギリギリまで寸法が詰められていて、修復したレバーとの交換で目論んでいたマスターシリンダーの車体中心線寄りへの移動は果たせませんでした。
せっかく作ったのに勿体無いと思い、マスターシリンダー周辺に少々余裕のあるDEMON150GRに取り付けてみました。
単に取り付けるだけのテストではマスターシリンダーを5mm程、車体中心線方向へ寄せる事ができました。後は実際の走行で取り付け位置を詰めて行きますが、トータルで10mm位移動できたらと考えてます。厳密に言えばレバーの延長でブレーキレバーの引き代が微妙に増えているはずですが、そのあたりも実走待ちですね。


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